とうがらしトウガラシとは、ナス科トウガラシ属の低木及び果実、そこから作り出される辛み香辛料のことです。

トウガラシの栽培の歴史は古く、アメリカではおよそ2000年以上前から行なわれていました。

諸説ありますが、1542年にポルトガル人宣教師が大友宗麟(戦国時代のキリシタン大名)に献上した時に日本に伝来したとの記録があり、これが「トウガラシ」を「南蛮胡椒」と呼んでいた理由とされます。

当時は食用ではなく、観賞用や防寒用(足袋の爪先に入れる)に用いられました。

こんな昔話があります。

「唐辛子商人と柿売り商人がいた。その日に限って売り上げが無く、それぞれ宿も取れずに困っていた二人は、偶然にも町外れの御堂で出会った。意気投合し、その夜は御堂で明かそうということになったが、夜も更け、空腹のうえ寒さも身にこたえる。柿売り商人は売り物である柿を食べ始め、唐辛子商人がどんなに懇願しても一つもやらずに完食した。唐辛子商人は柿売り商人の非情さに腹を立て、自分の売り物である唐辛子を全部食べてふて寝してしまった。朝が来て、目が覚めた唐辛子商人がふと見ると、柿売り商人は死んでいた」

唐辛子が血行を良くし、体を温める食材だというのが良くわかる、ちょっとぞっとする喩え話ですよね。

「泣く子に唐辛子(泣いている子供に唐辛子を与えるとすぐに泣き止む)」ということわざがありますが、これは、与えることで著しく効果を発揮することの喩えです。

このように辛い辛いトウガラシですが、この辛みを感じない生物がいます。

それは鳥類です。

「トウガラシがなぜ辛くなったのか?」という理由に、「種子まで噛み砕いて消化してしまう哺乳類には食べられたくなかったが、丸呑みして種子を別の場所で排泄してくれる鳥類には食べられたかった」という説があります。

鳥類は羽根で自由に空を飛び回り、食べたトウガラシの種子を色々な場所で排泄するので、それが次の世代のトウガラシの発芽と成長へ繋がります。

哺乳類の中では人間だけがトウガラシを(好んで)食べることができます。

その理由は、単に「慣れ」だそうですよ。

辛いのが苦手な人でも、徐々に慣れていけば食べられるようになるのです。

「トウガラシが無い食生活なんて考えられないほど、トウガラシ大好き」なブータンでは、生後6カ月ほどからトウガラシを入れたスープを食べさせ始め、徐々に辛さに慣れさせていくそうです。

ブータンの国民は、普段の食生活にトウガラシをキロ単位で買うのはごく当たり前のことで、小腹が空いたときのスナック代わりに、トウガラシをそのまま齧ることもあるとか。

いやぁ……「慣れ」って、すごいですよねぇ。

 

食材データ

種類:果菜類
旬の季節:年中

主な効能

食欲増進
冷え性
痛みの改善

 

栄養成分

トウガラシトウガラシの強烈な辛味は、カプサイシンによるものです。

カプサイシンは、アルカロイドの中のカプサイシノイドと呼ばれる化合物の一種です。

カプサイシンは特に果皮に多く含まれ、トウガラシを食べることで食欲促進や血行や発汗を促し、血液の循環が良くなります。

トウガラシに殺菌や防腐効果があることも知られており、昔から、ぬか床に入れたり、米びつに入れたりと我々の生活のごく身近に活用されてきました。

トウガラシを加工した物に「七味唐辛子」があります。

ちょっとひと味足りない汁物や串焼き類などにササッと振りかけて辛みを加えると、グッと味が締まりますよね。

七味唐辛子は、陳皮(ミカンの皮を干したもの)、ゴマ、芥子(ケシの実)、麻(アサの実)、山椒、菜種などの材料にトウガラシを加えて製造されています。

例え、味気無い具なしそばやうどんであっても、七味唐辛子をサッと一振りしてから食べれば食欲も増して消化吸収を促すだけではなく、食べ進むうちにどんどん体が温まり、血行や発汗も促されて血流がスムーズになり、白血球も活性化します。

白血球が活性化すれば、自ずと免疫力もUPしますし、心身共に気分爽快になることでしょう。

トウガラシには保温効果もあり、昔から利用されてきました。

足袋を履いている時代には足袋の爪先にトウガラシを入れて防寒し、旅するときには腹巻の中にトウガラシを潜ませて道中を歩き、腹部や腰の冷えを防いだと言われています。

ちなみに、トウガラシには、β-カロテン(体内でビタミンAに変換される)、疲労回復効果のあるビタミンB1や、皮膚の健康維持に欠かせないビタミンB2のほか、視力向上や免疫力向上効果のあるビタミンAと、シミやそばかす改善に効くビタミンCも含まれています。

若返りのビタミンとも呼ばれるビタミンEと、動脈硬化予防に働くビタミンB6も豊富です。

ですが、トウガラシそのものを大量に食べる機会はあまりなく、香辛料としての用途が多いです。

 

特徴

トウガラシトウガラシの辛味成分「カプサイシン」は「辛い」というより「痛い」の感覚に近く、過剰に摂りすぎると胃粘膜を傷つけます。

適量摂取が基本です。

殺菌・防腐効果のほか、除虫効果もあるため、他の作物と一緒に植えて栽培すると虫害を減らすことができます。

殺菌効果があるとはいえ、サルモネラ菌や大腸菌などの食中毒菌を殺菌する力はありません。

 

種類

ハバネロ
ハバネロ

中南米のメキシコが原産地であると考えられています。

海外では、インド、中国、韓国、タイ、インドネシア、メキシコ、ケニア、ナイジェリアなどが生産地です。

国内では、栃木県、徳島県、千葉県、和歌山県、岐阜県などが挙げられます。

多年草の「野生種」と一年草の「栽培種」に分類されています。

さまざまな品種があり、数百~数千の品種があるといわれています。

ピーマン、シシトウガラシ、パプリカなどの「甘味種」もトウガラシの仲間です。

「赤トウガラシ」、「青トウガラシ」、「シシトウガラシ」、「ハラペーニョ」、「ハバネロ」、「葉とうがらし」などが有名です。

 

レシピ

ペペロンチーノ

おろしニンニクと辛みトウガラシを使ってシンプルに仕上げたペペロンチーノに、醤油やみりん、日本酒を入れて具を炒めれば和風パスタに。

アサリと白ワインを入れれば、ボンゴレビアンコに早変わり。

ペペロンチーノ

 

万願寺トウガラシの甘辛炒め

甘辛く炒めた万願寺トウガラシは、格好のお酒の肴に。

スパイシーに味付けた鶏肉と一緒に炒めれば、ご飯のおかずに。

万願寺唐辛子の甘辛炒め
出典:https://ameblo.jp/hiyokodiningroom/entry-12183402790.html

 

トウガラシ【唐辛子】~血行と発汗を促進させて免疫力をUP~ まとめ

トウガラシに含まれるカプサイシンは刺激が強いため、過食すれば胃粘膜を刺激して傷つけてしまいます。

適度な量を摂るのがお勧めです。

カプサイシンには、血行促進効果、食欲増進効果、発汗促進効果、免疫力UP、疲労回復効果があります。

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