スズキ
出典:https://www.zukan-bouz.com/syu/スズキ

スズキはスズキ目スズキ亜目スズキ科に属する魚で、成長するにつれて呼び名が変わる「出世魚」としても有名です。

「古事記」や「平家物語」などにも名が記され、日本人にとっては昔から馴染深い魚と言えるでしょう。

「古事記」には、国譲り神話において、国譲りの和議が成立した際に酒宴の席に登場したのがスズキであった、と記述されています。

「平家物語」には、「清盛公が『安芸守』だった頃のこと、船で伊勢の海から熊野へ詣でる途中、大きなスズキが船の中に飛び込んできた。『この魚を食べれば熊野権現の御利益にあやかれます』と案内役である修験者が言ったので、スズキを急いで調理し、一族皆で食べたところ、その後は吉事ばかり続き、清盛公はついに太政大臣という地位まで極めたのだ。子孫も繁栄し、その昇進ぶりは竜が雲に昇るよりも速かった」と記述されています。

日本では、スズキといえば島根県の松江が有名です。

島根県にある宍道湖は淡水と海水が混ざりあう汽水湖で、季節ごとに海水の混じり方が異なるため、そこで獲れる魚介類はとても多彩で美味しいのです。

その中でも「宍道湖七珍」と称賛される味覚に、スズキが含まれています。

奉書焼き
奉書焼き
出典:http://www.iwaki-gyorui.co.jp/osakanalabo/archives/316

「スズキの奉書焼き」という松江の郷土料理があります。

「漁師たちが焚火の灰の中でスズキを焼いていたところ、通りかかった松江藩主の不昧公が所望された。『灰だらけのままでは畏れ多い』と奉書紙に包んで献上した」のが、この料理の始まりです。

脂の乗ったスズキを丸ごと一匹奉書紙に包んで蒸し焼きにし、すだちをかけ、もみじおろしとしょうゆで食べれば、ほろほろと柔らかな白身魚の旨味と甘味が口いっぱいに広がり、まさに絶品だそうですよ。

 

食材データ

種類:魚類
旬の季節:

主な効能

視力低下の予防
眼精疲労の改善
骨や歯の強化
栄養補給

 

栄養成分

スズキその身は銀色の輝きと光沢を放ち、まさに「魚の貴公子」と呼ばれるにふさわしい。

「古事記」にもその名が登場する神代の昔からの高級魚、スズキ。

名前の由来には様々な説が存在しますが、一説には、スズキの「スズ」は「清」で「スガスガしい」の意だとされます。

成長に伴って呼び名が変わっていく「出世魚」としても知られ、関東では1年物及び2年物で全長およそ20㎝から30㎝までを「セイゴ」と呼び、全長およそ30㎝から60㎝までを「フッコ」、それ以上の大きさ(通常4年から5年程度成長した成熟魚)を「スズキ」と呼んでいます。

沿岸に生息する魚ですが、冬の産卵に備え、夏は内湾から川にも入って餌をとり、まるまると肥えて肉質も良くなります。

そのため、スズキの旬は夏。

脂が乗りきって旨いスズキの味覚は、「夏の鱸(スズキ)は絵に描いてでも食え」や、「鯛もかなわぬ鱸のあらい」などと表現され、真鯛に匹敵する高級魚として珍重されています。

十月頃から川を下り、冬に海の深場で産卵し、越冬します。

冬場のスズキは味が落ちます。

淡泊ながらも独特の甘味のある白身魚ですが、脂の溜まりやすい肉質です(成長するにつれて脂が乗る)。

スズキ100g中に、脂溶性ビタミンであるビタミンAが180IU、ビタミンDが290IU含まれています。

ビタミンAは、目、皮膚、粘膜などを健やかに保つ効果や、免疫力向上作用があります。

油に溶けると吸収率がよくなる脂溶性ビタミンです。

健康な人であれば、ビタミンAは肝臓に十分に貯蔵されているので欠乏症の心配はありません。

ビタミンDも脂溶性のビタミンです。

カルシウム吸収率を高め、骨に沈着する手助けをします。

血液中のカルシウム濃度を一定に保つ役割もあります。

紫外線を浴びることで、体内で合成できる唯一のビタミンです。

「太陽のビタミン」とも呼ばれます。

スズキにはビタミンB12も多く含まれています。

ビタミンB12は水溶性のビタミンで、悪性貧血の予防や、神経の働きに不可欠です。

「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と「EPA(エイコサペンタエン酸)」も豊富です。

DHAは神経細胞を活性化させて脳力を向上し、EPAは血栓予防に働きます。

DHAとの相乗効果で血流がサラサラになり、脳内の血管が健やかに保たれます。

刺身や寿司ネタに、揚げ物や炒め物、鍋物、ムニエルやポアレなど。

スズキは和洋中の料理全てに重宝されている魚です。

 

特徴

スズキ夏が旬の魚。

日本では、刺身やあらいにして食べることが多いです。

海外では、カルパッチョ、ポアレ、ムニエルなどに多用されます。

血合いがほとんど見られない白身魚です。

そのため、スズキという和名が「まるで、すすぎ洗いしたような綺麗な身」という意味から付けられたという説もあります。

鯛に良く似た肉質は柔らかく癖のない淡泊な味で、独特の甘味と旨味を併せ持ちます。

関西圏でよく食べられます。

良質の水域で育った新鮮なスズキは、魚肉やアラだけではなく、肝臓、心臓、腸、皮をも料理に使えますし、目の周囲の脂身は凝縮された旨味を堪能でき、煮ても焼いても大変美味しく食べられます。

スズキは残った骨も出汁を取るのに使え、捨てる部位がほとんどありません。

鮮度の良いスズキは目が澄んでいます。

艶やかな体表で、身肉に張りが合って硬いもの、エラが鮮紅色であることも鮮度を見分けるポイントです。

 

種類

北海道南部から九州までの日本列島沿岸と、中国や台湾などに広く分布しています。

中国、インドネシア、トルコ、タンザニア、ウガンダ、ケニア、ギリシャ、台湾で漁獲されます。

国内では、千葉県、兵庫県、愛知県、神奈川県などで漁獲されます。

「スズキ」、「大陸スズキ」、「平スズキ」、「有明産スズキ」、「シロスズキ(ナイルパーチ)」、「ヨーロッパスズキ(ヨーロピアンシーバス)」、「スポッティドシーバス」などの種類がいます。

 

レシピ

スズキのカルパッチョ

ガーリックや黒胡椒を効かせたオリーブオイルベースのドレッシングに、ローズマリーやバジルなどのハーブを効かせれば、お洒落で洋風の一品に。

スズキのカルパッチョ
出典:http://sakako.exblog.jp/10927343/

 

スズキのあらい

氷を入れた日本酒、または氷水の中に入れて、スズキの身肉が白濁するまで脂を落とした「あらい」が、「日本料理の中で最も美味」だとか。

スズキのあらい
出典:https://www.zukan-bouz.com/syu/スズキ

 

スズキ【鱸】~脂を蓄えやすい白身魚。脂溶性ビタミンAとDが豊富~ まとめ

スズキは成長するにつれて呼び名が変わる「出世魚」です。

古事記や平家物語の中に、その名の記述があります。

脂溶性ビタミンのビタミンAとビタミンDを豊富に含んでおり、ビタミンAは目や皮膚粘膜の健康保持に効き、ビタミンDはカルシウムを沈着させる手助けをし、骨密度を高めます。

脂を蓄えやすい魚ですが、淡泊であっさりとした味の白身魚です。

その味は鯛にも劣らぬとされ、活きの良いスズキは調理の際に棄てる部位がほとんどありません。

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