サトイモサトイモは、サトイモ科サトイモ属に属す一年草です。

原産地はマレー半島付近の熱帯地方といわれています。

紀元前3000年頃にはインドで栽培されており、その後、中国を経由して日本へ渡来しました。

栽培は比較的簡単で、気候が温暖な地方の、日当たり良好な水田などで栽培できます。

水田などの里で栽培されるので、山地に自生するヤマイモ(山芋)と区別し、「サトイモ(里芋)」と呼びます。

コメが主食になる前は、サトイモが主食だったといわれています。

正月にサトイモを食べるのは、主食がサトイモだった頃の習慣が反映されていると考えられます。

また、サトイモは、親芋を中心に子芋・孫芋を周囲に付けて育つことから、「子孫繁栄」の願いを込めて正月料理に用いられることも考えられます。

芋頭は、「人の頭(かしら)に立つ」という意味で縁起物です。

サトイモの葉柄は芋茎(ズイキ)といい、これも食用になります。

芋を洗うよう
出典:http://www.iza.ne.jp/kiji/world/photos/150805/wor15080511260012-p8.html

「芋を洗うよう」の比喩的表現に出てくる「芋」は、「サトイモ」のことです。

水を張った桶(または盥)に隙間なくぎっしりとサトイモを入れて棒(または板)で左右に掻き回すとサトイモ同士が擦れあい、その摩擦によって皮が剥けます。

この作業を「芋を洗う」と言います。

夏のプールなどで、大勢の人でごった返す状況を喩えて「まるで芋を洗うようだ」なんて言いますよね。

 

食材データ

種類:根菜類
旬の季節:

主な効能

高齢者、病人の栄養補給
消化促進
健脳効果
気管支炎の予防と改善

 

栄養成分

サトイモサトイモはデンプンを多く含む食材です。

ビタミン群ではビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6などを含みます。

豊富に含まれるビタミンB1が、食事から摂った糖質をエネルギーに変えて疲労回復を手助けし、ビタミンB2が脂肪を燃焼させ、細胞の新陳代謝を促します。

イモ類の中でも水分が多く、カロリーが低めであるサトイモは、「水溶性食物繊維
カリウムも豊富です。

水溶性食物繊維には「粘性」、「吸着性」、「発酵性」の3つの特徴があります。

  1. 「粘性」→粘着しながら胃腸内を移動し、腹持ちを良くする。血糖値の急激な上昇を防ぐ。
  2. 「吸着性」→コレステロールなどを吸着し、排泄物として体外に出す。
  3. 「発酵性」→大腸内で発酵・分解され、善玉菌を増殖して腸内環境を整える。

消化・吸収も良いので、高齢者や胃腸の弱っている方、お子様への栄養補給に、柔らかく煮たサトイモはお勧めです。

ですが、サトイモでアレルギー症状が起きる可能性も、十分考慮に入れてください。

カリウムは、ナトリウムの排出を促すミネラル成分で、むくみの予防や改善、高血圧予防に働きます。

サトイモ独特のねばねばしたぬめり成分は、ムチンガラクタンによるものです。

サトイモの粘り
出典:https://tabelog.com/yamagata/A0601/A060102/6000441/

ムチンは食材に限らず、人間の唾液や胃液、涙にも含まれています。

ムチン成分は、ドライアイ用の目薬にも使われます。

ムチンには粘膜を保護する働きがあるので、食べることで胃腸の粘膜を保護し、健やかに保ちます。

また、ムチンにはタンパク質を分解する酵素が含まれており、タンパク質の消化や吸収を促すよう働きかけます。

ムチンの粘膜保護の働きが胃炎や胃潰瘍の予防に役立つのは勿論、体内に風邪などのウイルスが侵入してくるのを防いでくれます。

ガラクタンはガラクトースを成分とする多糖類で、脳細胞を活発にする働きがある……とされますが、いわゆる「ガラクタンの呪い」とも評されており、真偽のほどはわかりません。

サトイモの皮むきで手が痒くなるのは、茎や球茎にシュウ酸カルシウムが含まれているからです。

シュウ酸カルシウムの結晶が(皮むきなどの)僅かな力を加えることで壊れ、針状結晶となって皮膚に突き刺さるのです。

芋茎
芋茎(ずいき)

サトイモは細胞内にシュウ酸カルシウム結晶を蓄えており、アクが強く苦くて舌に刺さるような疼痛感の「えぐ味」の原因になります。

サトイモの調理法としては、田楽、塩ゆで、イモ汁、また、葉柄は汁の具や漬物などに活用します。

葉柄は「芋茎」や「芋苗」と呼ばれ、皮を剥き、乾燥させて保存し、煮物や和え物などの惣菜や、煮込んで五目飯に入れたりと、その活躍の幅は広いです。

ガラクタンの呪いとは

サトイモに含まれる「ガラクタンは脳細胞を活性化する」という⼀⽂がメディアによって増幅させられたことにより本当にあるはずの効果もかき消され、ガラクタンは闇に葬られてしまったことを指します。

「脳細胞を活発にする」という効果は「ある」とも「ない」とも断言できない状況下でメディアに広まったことが「呪い」とも評されるガラクタンの悲劇です。

メディアの無知や無関心に付け込んで「メディアを使った研究不正」、また「科学の常識を無視し、進歩を阻み、職業倫理にもとる研究」を行ったとされていますが、実際のところ研究は今も一部で進められており、効果のほどは未だ明らかにはなっていません。

 

特徴

サトイモの栽培サトイモは、細胞内にシュウ酸カルシウム結晶を蓄積しています。

この成分を過剰摂取すると健康上良くない(結石や骨粗しょう症の原因になる)ので、アク抜きをしてから食べましょう。

購入する際は、皮にしっとりとした湿り気がり、芽も出ていない傷のないサトイモを選びましょう。

泥付きのサトイモは日持ちが良く、風味も長く保たれます。

サトイモはヌメリがあるため皮が剥きにくいですが、加熱すれば簡単に皮が剥けます。

加熱しないで皮を剥く場合は、一度よく水洗いをし、乾かしてから剥きます。

皮むきの際のかゆみを防ぐため、「濃度が濃い酢水に手を浸してから剥くと良い」「サトイモに塩をまぶしてから剥くと良い」などの方法がありますが、一番良いのは薄手のゴム手袋をはめて作業することでしょう。

サトイモは乾燥や低温に弱く、冷蔵庫での保存は適しません。

泥付きの場合は、湿り気を逃がさないように泥が付いたまま紙袋に入れ、風通しの良い冷暗所に保存しましょう。

 

種類

八ツ頭
八ツ頭

原産地はマレー半島付近の熱帯地方といわれています。

現在では、アフリカ、東アジア、東南アジア、パプアニューギニア、インド、熱帯アメリカなどで幅広く栽培されます。

国内の生産地は、千葉県、埼玉県、新潟県、栃木県、静岡県、神奈川県、茨城県、宮崎県などです。

品種は大きく3つに分けられます。

「子いも・孫いもを食用とする『子いも用品種』」、「親いもを食用にする『親いも用品種』」、「どちらも食用にする『親子兼用品種』」です。

  1. 「子いも用品種」は、「土垂」、「石川早生」、「えぐいも」などで、通常「サトイモ」と呼ばれる品種です。
  2. 「親いも用品種」には「京いも」があります。
  3. 「親子兼用品種」には「赤芽」、「唐いも」、「八ツ頭」、「セレベス」などがあります。

「八ツ頭」は、一つの種から八方に芽が突き出ることがその名の由来です。

末広がりを意味する「八」と、「八ツ頭を食べると人の頭に立てる」の意味合いも兼ね、縁起物としてお正月のおせち料理に使われます。

 

レシピ

サトイモの煮っころがし

これぞ和風のおかずの定番、サトイモの煮っころがし。

一度揚げてから煮込むと煮崩れしにくい。

サトイモの煮っころがし

 

サトイモの磯辺焼き

もっちりした独特の食感が後引く旨さ!

冷めても美味しいのでおやつにもお弁当にも。

餅ではないので、お子様や高齢者の方でも安心して食べられますね。

サトイモの磯辺焼き
出典:http://www.albis.co.jp/etown/recipe/2011/11/000422.html

 

サトイモ【里芋】~ムチンが粘膜を保護、食物繊維が腸内環境を改善~ まとめ

水溶性食物繊維を豊富に含み、消化吸収の良いサトイモ。

水分が多く、低カロリーです。

ねばねば成分「ムチン」が胃腸などの粘膜を保護して胃炎や胃潰瘍を予防、更にはウイルスに対しての抵抗力を養います。

水溶性食物繊維が腸内環境の改善に働きかけます。

サトイモは、風邪を引きやすい方、胃腸の健康を保ちたい方、便秘がちな方にもお勧めの食材です。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう