モモモモは、バラ科の落葉小高木及び、その果実のことです。

原産地は中国で、食用、観賞用に様々な地域で栽培されています。

昔から、モモには不思議な力(邪気を祓う)長寿をもたらす力があると考えられ、モモの木は「仙木」、モモの果実は「仙果」とも呼ばれてきました。

中国、魏晋南北朝時代の超自然現象等を綴った「志怪小説」には、前漢の武帝が「西王母(中国古代の仙女。崑崙山に住み、不老不死の薬を持つ神仙)」から、三千年に一度しか実をつけない「不老長生の仙桃」を授かったというエピソードが書かれているそうです。

また、「四大奇書(『水滸伝』、『三国志演義』、『西遊記』、『金瓶梅』)」の一つである「西遊記」では、西王母主催の蟠桃会のために準備するはずだった仙桃を、孫悟空が好き勝手に食い散らかして台無しにしてしまう描写が出てきます。

「桃李言わざれども下自ら蹊を成す」
→桃や李は花も実も美しいから、招かずとも人が集まる。それと同様、人格者の周りには招かずともたくさんの人が集まるものだ。

「桃李門に満つ」
→英名な人々が、その門下に多く集まること。

また、「桃源」とは俗世間から遠く離れた理想郷のことを指します。

中国では古来から、モモが仙果として尊ばれてきたということですね。

モモは、紀元前4世紀頃にシルクロードを経てペルシア経由で欧州に伝わりました。

「桃(Peach)」の語源は、「ペルシアのリンゴ(persicum malum)」から来ています。

「古事記」や「日本書紀」にも記述が見られるモモは、弥生時代頃に日本に伝わったと言われており、遺跡からも桃核が出土しています。

桃太郎日本においてもモモの神秘性への観念が根付いていたようです。

室町時代に書かれたと言われている「モモから生まれた『桃太郎』」という昔話が、それを顕著に物語っています。

一説によると、桃太郎はモモから生まれたのではなく、モモを食べたお爺さんの生まれ変わり(というか赤ん坊に戻ったお爺さん)だとされています。

 

食材データ

種類:果物類
旬の季節:

主な効能

寝汗、多汗症(バセドウ病)の改善
栄養補給
あせも、湿疹の改善

 

栄養成分

桃「三国志演義」にて、劉備・関羽・張飛の三人が義兄弟の契りを交わしたのは桃園。

「(~前略~)同年同月同日に生まれることを得ずとも、願わくば同年同月同日に死せん事を!

このように、名場面に登場する機会も多いモモは、大変華やかで美しい花々を咲かせるばかりか、果実も種子も葉さえも役立つ素晴らしい食材です。

生長は物凄く遅い(「桃栗三年……」と言われる)ですが、生命力は強いモモ。

中国では古来から「長寿を得る果物=仙果」として尊ばれてきました。

果肉にはタンパク質、脂質、ビタミン群やミネラル類、有機酸が含まれています。

ビタミンの中では、「若返りのビタミン」とも呼ばれるビタミンEと、免疫力を高めてくれる水溶性ビタミンビタミンCの成分値が高いです。

食物繊維の一種である「ペクチン」も豊富です。

ペクチンは腸内環境を整える効果(便秘や下痢の解消)や、コレステロール値を下げる効果があります。

モモを食べた方からの経験談によると、風邪などによる寝汗を止める効果もあるそうです。

モモの葉の煎じ汁が汗疹や湿疹に良いのは一般的に知られており、入浴剤も販売されています。

湯に入れたモモの葉は汗疹などに効果的とされますが、乾燥していない葉は青酸化合物を含むそうなので要注意です。

漢方においては、モモの種子は「桃仁(とうにん)」と呼ばれています。

「桃仁」とは、桃の種の核を取り出して日干ししたものです。

駆瘀血作用(血流を改善する)があり、肩凝り、腰痛などに効き、また、女性特有の悩み(生理不順など)にも効くとされます。

桃仁配合の漢方薬には、「桃核承気湯」、「桂枝茯苓丸」などがあります。

漢方において、モモの花の蕾(つぼみ)は「白桃花」と呼ばれ、煎じて飲めば利尿作用や便秘の緩和に役立つ(但し、飽くまでも民間療法です)とされます。

 

特徴

もも栽培中は病害虫に侵されやすく、袋をかけて保護するなど、とても手間がかかる果物です。

収穫してからも「傷みやすくすぐに柔らかくなる」、「人が素手で触れただけでもそこから変色し始める」など気をつけて取り扱わなければならず、賞味期間も短いです。

生で食べるほか、ジュースにしたり、シロップに漬けた缶詰もよく売られています。

購入の際は、「縦横のバランスが良く、全体的に丸い」、「果皮が鮮やかな赤色やピンク色をしている」、「果皮表面に産毛が残っている」ものが良品の目安です。

種子の中の仁から抽出した油を「カーネルオイル」と呼び、美容用マッサージオイルとして利用されています。

モモの木は割れにくく丈夫なので、箸などに利用されています。

「シラカバ花粉症」の人の一定割合の人が、モモなどのバラ科の果物でアレルギー症状を引き起こします。

喉の痛みや咳、唇の痒みなどが症状の一端です。

 

種類

中国、アメリカ、イタリアなどが世界の生産地です。

国内では、山梨県、長野県、和歌山県、山形県などが挙げられます。

モモの品種は約100種類にのぼりますが、大きく分ければ、「果肉が白色の白肉桃」「果肉が黄色の黄肉桃」の2つに分けられます。

白肉桃

果汁が多く柔らかく生食可能です。

「日川白鳳」、「ちよひめ」、「あかつき」、「清水白桃」などの種類があります。

白肉桃

 

黄肉桃

弾力に富んでいるので、シロップ漬けにして缶詰めに加工したり、ジャムに加工したりします。

生食用では、「黄金桃」「ゴールデンピーチ」などがあります。

黄肉桃

 

レシピ

モモのコンポート

白ワインを加えて大人のデザートに。

アイスやヨーグルトに添えても美味しい。

余ったシロップも他のレシピに流用可能。

桃のコンポート

 

ピーチジュース

果皮表面に産毛が無いネクタリンを使えば良い。

ジュースで飲むほか、アルコール飲料と混ぜてカクテルにするのも美味しい。

ピーチジュース

 

モモ【桃】~果実は腸内環境を整え、種は消炎、葉の煎じ汁は汗疹に~ まとめ

若返りのビタミン「ビタミンE」、抗酸化力の「ビタミンC」、食物繊維の一種である「ペクチン」などを豊富に含むモモの果実は、腸内環境を健やかに整えて疲労回復に役立ちます。

モモの種子は「桃仁」と呼ばれ、血流を改善する効果があります。

モモの葉の煎じ汁は汗疹や湿疹の緩和に働きかけます。

果実のみならず、種子、葉、花の蕾までも薬効効果のあるモモは、やはり「仙果」の名にふさわしい食材ですね。

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