カツオの一本釣り
出典:http://www.tv-osaka.co.jp/blog/tabip/tabi/高知土佐~カツオの一本釣り/

「人類はカツオを4万年以上も前から釣って食べていた」と研究者は語ります。

遺跡から、マグロやカツオを食べていたとされる痕跡が出てきたそうです。

マグロもカツオも育てば、かなりの大魚です。

一体どうやって釣っていたのでしょう? 古来の人々は、土佐伝統の「カツオ一本釣り」を既に会得していたということなのでしょうか?

……というのは冗談で、カツオの群れは春から夏にかけて餌になる小魚(イワシなど)を追って、黒潮に乗ってやってきます。

そのため、船舶技術が発達していない昔でも獲ることができたのです。

堅魚
堅魚 出典:http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/Miebunka/mobile/saikuMobile/detail/494283

日本において、カツオは古事記では「堅魚」、養老律令には「煮堅魚」という記述で登場します。

傷みやすい魚であるため、干して堅くして食べていました。

鰹節の原形ですね。

因みに、「煮堅魚」はカツオの煮干しのことだとされています。

堅魚(カタウオ)」が次第に「カツオ」と略されて呼ばれるようになった、というのが名前の由来です。

歴史上に、こんな逸話があります。

「天文六年の夏、北条氏綱がカツオ漁を見物していた際、船にカツオが一匹飛び込んできた。北条氏綱は『勝負に勝つ魚だ』と大変喜び、戦勝祈願として食べ、その後の戦で見事に勝利した」

このことから、「カツオ=勝魚」に通じるとされ、戦の前の酒席に並ぶ縁起物として武士にとても重宝されました。

また、「鰹節=勝男武士」に通じるとされ、戦に行くときの便利な兵糧食に欠かせないものでした。

日清戦争や日露戦争でも兵士が携帯したそうです。

江戸時代において、既にカツオは珍重され高い評価を得ていました。

ですが前述の通り、大変傷みやすい魚ですので、特に初物を好む江戸っ子(初物を食べれば、「寿命+75日」長生きできると信じられていた)の口には到底入ることの叶わない貴重な魚でもあったのです。

その心境を江戸時代前期の俳人、山口素堂が詠んでいます。

「目には青葉山郭公初松魚(めにはあおば やまほととぎす はつがつお)」

初鰹を食べたい心境を表わした一句ですね。

鰹節また、「女房を質に入れても食べたい」と言われていたのが江戸時代中期頃。

庶民には、とても高価で買えなかったんですねぇ。

関東式の結納では、「鰹節」を収めるのが習わしでした。

「カツオ=勝男」で、男性の力強さを象徴したのです。

 

食材データ

種類:魚類
旬の季節:春・秋

主な効能

強壮作用
血栓症予防
貧血の改善
コレステロール低下

 

栄養成分

カツオ
出典:http://tatakiya.jp/menu/

カツオは、世界中の温帯~熱帯海域にかけて分布しています。

暖かい外洋の海で小魚などを食べながら回遊しています。

日本近海では、黒潮に乗って太平洋側を、春には九州南部から北上、秋には宮城県沖に達して親潮にぶつかると、そこからUターンしてまた南下するという季節的な回遊をします。

三月に九州、四月に紀州、五~六月には伊豆~房総沖に達し、宮城県金華山沖まで北上、十月ともなれば、脂が乗ったカツオが東北沖より南下し始める、というワケですね。

カツオの旬は「初鰹の初夏(3~7月)」と「戻りカツオの初秋(9~11月)」です。

カツオは脂肪の含有量が少ない魚です。

但し、脂肪は「戻り鰹」では一気に増えます。

ビタミンやミネラル含有量は「初鰹」でも「戻り鰹」でも大差ありません。

カツオには、タンパク質が(牛肉や生ハムなどの)獣肉以上も含まれており、血液をサラサラにして中性脂肪やコレステロールを低下させるEPA(エイコサペンタエン酸)と、脳の働きを活性化させるDHA(ドコサヘキサエン酸)の不飽和脂肪酸も豊富に含まれています。

カツオの「血合い」には血管が多く走っているため赤黒く、その色合いと血生臭いために敬遠されがちですが、実は、血合いにはビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB12鉄分が「身の部分」より豊富に含まれています。

血合いは赤身の魚に多く、特にカツオなどの回遊魚ほど発達が見られます。

血合いに豊富に含まれる鉄分が貧血改善に効くのは勿論、体力が低下した時や、病後の滋養食としても活用できそうです。

カツオの血合い
出典:http://marusui.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-13de.html

但し、生姜を使って生臭さを感じさせない調理法などが求められます。

民謡「ダンチョネ節(「ダンチョネ=断腸の思い」が語源らしい)」発祥地といわれる三浦半島の三崎港では、昔からカツオの血合いをキモとショウガと醬油で煮付け、強壮剤として用いていたそうです。

「沖のカモメによ~♪ 潮時問えばわたしゃ立つ鳥さ 浪にきけ~♪ ダンチョネー♪」

カツオには肝機能を高めるとされるタウリンも豊富に含まれています。

ですが、食べ物に含まれるタウリンは水溶性で煮物や鍋物にすると煮汁に溶け出し、加熱処理すると3割程減少するそうです。

なので、カツオを生食すれば、含まれているタウリンを全て摂り込めるわけですね。

カツオには、免疫力を高め、「太陽のビタミン」とも呼ばれるビタミンD、粘膜を健やかに保ち、血行を良くするナイアシンも豊富に含まれています。

調理の際に欠かせないのがカツオ節とコンブ。

カツオ節の旨味の主成分であるイノシン酸、コンブに含まれるグルタミン酸が相乗効果を発揮し、出汁の旨味を深めてくれるのはご承知の通りです。

 

特徴

カツオ
出典:http://www.nagoyaaqua.jp/ill_book/2014100214534603.html

カツオはマグロと同じく、常に泳ぎ続けていなければ死んでしまう魚です。

他の魚は、鰓蓋を動かすことで水中の酸素を取り込めますが、カツオは鰓蓋を動かせないため、常に泳ぎ続けて口から新鮮な水を鰓に流し込まなければ窒息死してしまいます。

「魚は変温動物であり、水温に合わせて体温も水温と同じである」とされますが、変温動物の魚であるカツオには、なぜかそれが当てはまりません。

なぜならカツオが決して止まることなく水中を泳ぎ続けることで、その筋肉運動から発生した熱を体内に蓄え、周囲の水温よりもおよそ5℃から15℃、高い体温を維持しているからです。

疲れ知らずに泳ぎ続けるタフなカツオを食べることで、滋養強壮効果が期待できますよね。

カツオは大きいものだと体長1m近くで体重18kgにもなり、その寿命は約10年とされます。

カツオのたたきの由来

今では気軽にスーパーなどで入手できるカツオです。

新鮮なカツオは、体表の縞模様がハッキリしていますし、鰓が鮮紅色です。

カツオは、熱を通すと硬くなります。

新鮮なうちに食べるのが鉄則です。

カツオのタタキ

カツオにはアミノ酸の一種であるヒスチジンが含まれており、時間の経過と共にアレルゲンであるヒスタミンに変化してしまうからです。

カツオは「カツオのたたき」や刺身にすると絶品です。

かつて、土佐藩主・山内一豊は食中毒を防ぐ目的でカツオの生食を禁じました。

ですが、さっと表面だけ焼いて「ナマじゃないから!」と食べた漁師の機知に富むアイデアが、現在の「カツオのたたき」の由来とされています。

 

種類

カツオは、温帯から熱帯海域の世界中の海(日本では北海道以南の太平洋側)に分布しており、17℃~30℃の水温に生息している回遊魚です。

種類では、カツオ、スマガツオ、ヒラソウダガツオ、マルソウダカツオ、ハガツオの5種類があります。

国内では、静岡、東京、三重、宮城、高知、宮崎などで獲ることができます。

ソウダガツオ
出典:https://kotobank.jp/word/ソウダガツオ-768669

ソウダガツオ漁獲量に関しては、高知県がトップです。

ソウダガツオは、サバ科ソウダガツオ属の魚で、マルソウダとヒラソウダの2種類があります。

名前に「カツオ」がつきますが、外見はサバに似ています。

鮮度が良いヒラソウダは刺身にすると大変美味です。

マルソウダは血合いが多く、鮮度が落ちるのが急速で、しばしばヒスタミン中毒を起こす事もあります。生食には向きません。

赤道付近を中心としたカツオが、一年を通じて日本に輸入されています。

モルジブでは毎日のように、丸々と太ったマグロやカツオの料理が食卓に載るといいます。

羨ましいですね。

台湾や中国からの輸入が多いです。

 

レシピ

カツオのたたき

高知県を代表する初夏の料理。

鮮度抜群のカツオのたたきにきざみネギとニンニクを合わせて。

ホクホクの炊き立て白飯にカツオのたたきを贅沢に載せて豪快に食べよう!

カツオのタタキ

 

鰹節

「カビ付けしたもの」と「カビ付けしていないもの」の2種類があり、料理によって使い分けできるのも魅力のひとつ。

薄く平削りしたものは御吸い物やお好み焼きに、糸削りしたものはパスタやサラダ、お漬物にも。

削り節はパック詰め商品として売られており、丸々一本分の鰹節を目にすることは少ない。

日本の伝統食品。

鰹節

 

カツオ【鰹】~血合肉は鉄分豊富! 貧血改善や滋養強壮に効果あり~ まとめ

カツオのタンパク質含有量は牛肉以上、DHAやEPA、ビタミンD、鉄分が豊富に含まれており、貧血改善や滋養強壮に役立ちます。

「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」と詠まれるように、毎年5月頃に最初に日本へ北上してきたカツオは「初鰹」と呼ばれ、江戸の初夏の味の代表となりました。

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