カキ刺身や寿司では生食が平気な日本人ですが、「生ガキ(生牡蠣)」と聞くと、「もしあたったらどうしよう?」などという、少し消極的な気持ちになる方もいるのではないでしょうか?

獲れたての生ガキの殻を割れば、プリプリッとした白い肉厚の身からじゅわーっと溢れ出す、なんともミルキーな甘味と旨味。

ひとたび味わえば癖になり、「やっぱりカキは、素材そのままが一番旨い!」と納得する。

ですが、産地から遠方に住んでいる方は、なかなか活キ(イキ)の良いカキにお目にかかることができません……

なので、パック詰めのカキを購入し、カキ鍋などで調理するわけですね。

勿論、カキ鍋も十分美味しいですが、加熱し過ぎると、身の周囲の黒いヒダが硬く縮れてしまい食感が悪くなってしまうのが難点です。

フランスの牡蠣
出典:http://parismag.jp/paris/5119

「生食か? 加熱か?」で悩む日本人心理とはうらはらに、「カキは生食に限る!」の心構えが国民性に強くあらわれているのがフランス人です。

寿司や刺身と聞き、「日本人は生魚を食べるのか?」と日本の食習慣に不思議な面持ちを隠しきれない彼らですが、「カキだけは生食」の信念を頑なに貫いているのです。

生ガキと言えば、フランスではまさに国民食のようなもの。

海の傍であれば、年間を通して食べることが可能です。

老若男女関係なく、生ガキ大好き!

お洒落に白ワインをお供にして、一人12個ぐらいはぺろりとイケるとか。

……と、生ガキに合うお酒はなんでしょう?

アメリカのドラマでは、シャンパン片手に牡蠣をオードブルでパクパク食べているシーンが結構ありますし、シードル、ワイン、梅酒、日本酒なども生カキと相性が良さそうです。

生牡蠣

1970年代、フランスの養殖業を支え、人々からの飽くなき牡蠣への食欲欲求を満たしてきた「ヒラガキ種」というカキが、病害により壊滅的な打撃を受けてしまいました。

この事実を突きつけられた「カキ大好きフランス人」のフラストレーションはいかばかりだったことでしょう!

そこに救いの手を差しのべたのが、日本のカキ業者だったのです。

「ヒラガキ」に代わり、「マガキ」という、病気に強く繁殖力にも優れた宮城県産のカキが、交配用と食用の両目的でフランスに大量輸出されたわけです。

そのため、フランスのカキ養殖は絶滅の危機を免れることができました。

時を経て……

2011年3月11日に東北大震災が起き、宮城県を始めとする東北の水産業が甚大な被害を受ける事態が起こりました。

日本のカキ養殖業者の困窮切迫を見るにみかね、「今度はフランスがお返しをする番!」とばかり、「フランスお返しプロジェクト」が発足しました。

フランスの牡蠣養殖業者が三陸の牡蠣を救うべく、必要な物資を提供して多大なる支援をしてくれたことは記憶に新しいことです。

 

食材データ

種類:貝類
旬の季節:秋~冬

主な効能

強壮作用
貧血、不眠、夜尿症、寝汗の改善
肝臓病の予防
眼精疲労の改善

 

栄養成分

牡蠣ブドウ糖に分解されてエネルギーの元となるグリコーゲンを始め、タンパク質カルシウムも含み、また、数多ある食品の中でも飛び抜けて高い亜鉛含有量を誇っています。

その栄養分の豊かさから、西洋ではカキを「海のミルク」、「海のフルーツ」とも呼んでいます。

生命や若さの維持を保つグリコーゲンが100g中およそ6g含まれて(季節によっても変動しますが)います。

ビタミンB群、セレン、亜鉛、銅、鉄、マンガン、ヨード、カルシウムなども豊富です。

このうち、特筆すべき栄養素はビタミンB12セレンです。

ビタミンB12は、貧血予防や神経を正常に維持する働きがあります。

セレンは、活性酸素から体を守る働きがあるので、ガン抑制効果が期待できます。

次いで多く含まれる亜鉛は、人にとって最も不足しやすいミネラル分といわれ、意識的に摂らなければ、味覚異常や肌荒れなどの様々な弊害をもたらします。

新陳代謝の正常な維持や、成長促進効果、二日酔い防止効果もあります。

また、亜鉛は、体内の約100種類の酵素を活性化するために不可欠な必須ミネラルです。

それほど大切な成分である亜鉛を、全食品中で断トツに含んでいるのが「カキ」なのです。

男性であれば大きめのカキを4個程度、女性であれば大きめのカキ3個程度で一日に必要な亜鉛摂取量を摂ることができます。

但し、コーヒーは亜鉛吸収率を下げますので、コーヒー好きな方は飲用する1時間前か、飲用後2時間経ってから食べる方が良いでしょう。

カキを食べて「不眠症が治った」「眼精疲労が軽減した」「精力減退が改善した」ということになれば、ほかならぬ亜鉛が効果を発揮したからに違いありません。

亜鉛は、生殖機能の維持にも不可欠な必須ミネラルといわれています。

亜鉛の次に多く含まれる銅は、赤血球や骨の形成を助けます。

更に、鉄分の吸収を高め、貧血を予防し、髪や肌を健やかに保ちます。

また、カキ100g中に1000mg以上含まれているタウリンという成分は、肝機能を強化し、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病に効果を発揮します。

本来、汗や尿は、体内にある余分なミネラルなどを排出し、血液や体内のPHバランスを維持していますが、夜尿症や多汗症などでは体内バランスが崩れてしまいます。

何らかの原因で大量の寝汗などをかく場合も同じです。

そんな時は体を温め、かつ手っ取り早く造血に繋がるカキフライを食べるのも良い、といわれています。

 

特徴

牡蠣の生態
出典:https://kotobank.jp/word/カキ%28牡蠣%29-1516328

カキは、アサリやハマグリなどと同じ構造の2枚貝です。

殻の形は一定せず、環境要因によって丸くなったり細長くなったりする特徴があります。

そのため、産地によっても形や大きさに違いが生じます。

どの種類のカキでも、岩などの硬質の基盤にくっついて生息するのが一般的です。

海の岩から「『かき』落とす」ようにして獲るため「カキ」と名付けられたとか。

着生してからはほとんど動かないため筋肉が退化し、そのおかげでグリコーゲンをたっぷりと蓄えたカキの身は、ほとんどが内臓で占められています。

(カキだけには限らず、貝類全般に言えることですが)あの独特の味わいは、「内臓の味なのです。

牡蠣の養殖主な養殖法は「海中にぶら下げる方法」と「海底に撒く地蒔きの方法」があります。

海中にぶら下げる方法が主流である日本の養殖カキは、身が大きく育ち、大変美味しく仕上がります。

新鮮なカキは黒いヒダがしっかりと縮み、身はふっくらとボリュームがあり、色は乳白色で艶々しいです。

肉や魚の生食を嫌う欧米圏にとっても、カキだけは生食することが当然と考えられています。

歴史に名立たる有名人では、ナポレオン、ビスマルク、また、日本人では武田信玄がカキ愛好家として知られています。

カキによる食中毒の危険性も忘れてはなりません。

食中毒の原因としては、貝毒、細菌、ウイルスが考えられます。

 

種類

シェル牡蠣浅い海に多く生息し、極地を除いて全世界に分布しています。

マガキ、イワガキなどの大型の牡蠣を始めとして、スミノエガキ、イタボガキ、ヨーロッパヒラガキなどが食用です。

特にマガキ属のカキは、世界的に食用目的での養殖が盛んです。

広島県、宮城県、岡山県、兵庫県、岩手県などが主な産地です。

海外からは韓国産が輸入のおよそ90%以上を占めています。

 

レシピ

生カキ

生食用のカキの殻をヘラでこじ開けて食べるのは、或る種サバイバル的な豪快さ。

レモン汁、タバスコ、ポン酢と合わせて食べても美味。

冷えたシャンパンや白ワインを片手に味わえば、粋なオードブルになる。

生牡蠣

 

カキフライ

カツレツの要領で生カキを油で揚げ、外はサクサク、中はふっくら柔らかく。

冷めても断然美味しい。

カキフライ

 

カキ【牡蠣】~最も欠乏しやすいミネラル・亜鉛の含有量が断トツ!~ まとめ

生食するも良し、味噌と煮込んで鍋にするも良し。

日頃から不足しがちなミネラル分を豊富に含み、特に亜鉛含有率は食品群の中でも断トツのカキ。

亜鉛は、体内酵素に働きかけ、取り込んだアルコールをスムーズに分解する手伝いをしてくれます。

二日酔いも防いでくれます。

お酒を良く飲まれる方にもお勧めの食材ですね。

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