紫式部「いわしみず」と「イワシ」を絶妙に掛け合わせて和歌を詠んだのは、和泉式部だったそうです。

当時、イワシは卑しいとされ、貴族が食べるべきではない下賤な魚として蔑まれていました。

ですが、和泉式部はイワシが大の好物。

こっそりとイワシを食べていたのを、夫の急な帰宅に慌ててイワシを隠します。

他の男からの恋文だと勘ぐって問いただす夫に渋々イワシを見せながら、こう詠んだそうです。

「日の本にいははれ給ふいはしみづ まいらぬ人はあらじとぞ思ふ」

*日本で大事にされている石清水八幡宮にお参りしない人がいるなんて、そんなこと思いませんよ。

(それと同様、これほど美味しいイワシを食べないで済ますなんて馬鹿らしいことですよ)

他の男からの恋文ではないとわかった夫は忽ち機嫌を良くし、「妙な勘繰りをして済まなかった。イワシは女性の肌に良い。どんどん食べなさい」と言ったそうです。

……ということは、この時代から「イワシが(肌に良い)栄養価の高い食べ物」だということは、既に認識されていたということですね。

イワシの語源についてはいくつかの説があり、

  • 水揚げされて傷むのが早いので、『よわし』が転じ、魚に「弱い」の字を当てて「鰯」とした。
  • 「賤し」、「卑しい」魚で貴族が食べるべきではないという認識があったので、「イヤシ」が転じて「イワシ」になった。

などがあります。

確かに、鰯を食べるには鮮度が重要です。

マイワシ日本で「イワシ」といえば、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種類です。

その中でも、普通に「イワシ」と言えば、「マイワシ」を指すことが多いです。

マイワシは、体表面の黒い斑点が特徴です。

刺身、塩焼き、ピカタなどの調理法があります。

ビタミン類は、ビタミンB12ビタミンB6ナイアシンビタミンDビオチンを含んでいます。

特にビタミンB12が豊富です。

ミネラル類では、セレンヨウ素リンマグネシウムなどを豊富に含んでいます。

特にセレンを多く含みます。

ウルメイワシは、主に干物として加工されます。

カタクチイワシは、チリメンジャコ、煮干し、アンチョビなどに加工されます。

調理法では、唐揚げ、天ぷら、つみれなどが挙げられます。

広島県では、「七度洗えばタイの味」と言われ、良く洗った鮮度の良いカタクチイワシをお造りで食べるそうです。

ビタミン類では、ビタミンB12、ビタミンDを豊富に含みます。

ミネラル類では、特にセレンの量が多いです。

 

食材データ

種類:魚類
旬の季節:初夏~秋

主な効能

脳梗塞、心筋梗塞などの血栓症予防
健脳、老化予防
骨粗しょう症予防

 

栄養成分

マイワシイワシは、とても栄養価が高い青魚です。

血栓を防ぐ働きを持つEPA(エイコサペンタエン酸)や、血液をサラサラにして動脈硬化を防いだり、脳の働きを高める働きを持つDHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。

魚の油は体内で固まらない不飽和脂肪酸です。

イワシ100g中におよそ70㎎のカルシウムが含まれています。

カルシウムはビタミンDと一緒に摂ることで吸収率が大幅にアップすると言われています。

イワシにはビタミンDも豊富に含まれていますので、イワシを食べることが骨粗しょう症の予防に大いに役立ちます。

EPA、DHAにはうつ病改善作用もあるとされ、イライラするなど情緒的に不安定な方の心を癒やしてくれる食材として効果が期待されます。

また、肌の健康を保ち、若返り成分として働くレチノール(ビタミンA)や、核酸も多く含まれています。

核酸とは、あらゆる生物の細胞の核に存在し、DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)を構成する上で非常に大切な成分です。

ナイアシンは、肌荒れの改善や不眠症予防、脳神経の働きを正常にサポートする効果があります。

また、イワシのタンパク質を酵素によって分解した健康成分であるイワシペプチドの中にはバリルチロシンという成分が含まれており、血圧を下げる効果があるとされています。

以上のことから、イワシを積極的に食べることにより、健康増進効果や高血圧など含む病気の予防、若返り効果などが大いに期待できます。

他にも、ビタミンB12、ビタミンB6、ビタミンD、ビタミンEのビタミン群や、貧血を予防する鉄分、必須アミノ酸含むタンパク質などを豊富に含む栄養満点な魚です。

こうしたことから「イワシは海のニンジン」とも言われています。

ちなみに、ここでの人参は「朝鮮人参」のことです。

 

特徴

イワシの群れ海面近くを群れで泳ぐ回遊性の魚です。

全長は、成魚でおよそ10cm~30cmで、細長い体を持つ赤身の青魚です。

古くから人々の食卓に親しまれてきた青魚で、傷みやすい魚としても知られています。

購入時には、全体的に丸みを帯びて張りがあり、青く艶々しいもの、鮮やかな鮮紅色のエラを持つイワシを選びましょう。

目が澄んで透明感があることもチェックポイントです。

稚魚は、ちりめんじゃこや煮干しにされます。

欧米では、アンチョビなどに活用されます。

DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を豊富に含み、栄養たっぷりのイワシですが、プリン体も多く含むため、痛風傾向にある方は摂取を控えるよう、医者から指示されることもあります。

食材として使われるだけではなく、昔は節分の時に魔除けとして使われました。

ヒイラギイワシと呼ばれる物で、ヒイラギの小枝に焼いたイワシの頭を刺し、それを門口に掲げておいたのです。

鬼(魔)はイワシを焼く臭いが嫌いなので、イワシを焼いて物凄い煙と臭気を立ち上らせ、焼いたイワシの頭を間口に掲げておけば、鬼が嫌がって寄りつかないというわけです。

「イワシの頭も信心から」ということわざがあります。

 

種類

ウルメイワシ日本でイワシと呼ばれる魚は、マイワシウルメイワシカタクチイワシの3種類です。

海水魚で回遊性の魚です。

沖縄を除く日本全国、サハリン東岸のオホーツク海、朝鮮半島東部、中国、台湾などに生息しています。

主な産地は、北海道、長崎県、宮崎県、茨城県、千葉県、愛媛県、島根県などです。

 

レシピ

イワシの香草焼き

イワシを洋風アレンジで食べられます。

イワシにしっかりと下味をつけ、バジルやニンニク、ワインなどと一緒に蒸し焼きにすればイタリアン風の一品に早変わり。

香草でバジルが苦手な方はローズマリーでも。

イワシの香草焼き

 

イワシの生姜煮

生姜をたくさん入れて煮るため、さっぱりとした味わいになります。

骨ごと食べられるので不足しがちなカルシウムも摂れます。

イワシの魚臭いのが苦手な方にもお勧めです。

イワシの生姜煮

 

イワシのつくね

「魚が嫌い、食べられない」お子様にぴったりの調理法です。

イワシのすり身、卵、その他調味料や酒を混ぜて成形し、こんがりと焼き色をつけた後に甘辛タレを絡めて食べれば和風ハンバーグの出来上がり。

お酒のおつまみにも良いですね。

イワシのつくね(つみれ)

 

イワシのフライ

揚げたてサクサク、イワシのフライ。

レモンをかけてさっぱりと。

青魚が苦手な方でも食べやすいです。

イワシのフライ

 

イワシ【鰯】~弱くても卑しくても栄養満点!心の癒やし効果大~ まとめ

イワシは栄養満点の魚ということがわかりました。

血流を良くするDHAやEPA、皮膚や粘膜に働くビタミンB12、ビタミンDなどを豊富に含んでいます。

イワシを積極的に食べれば、血圧を気にされる方や生活習慣病の予防にも役立ちます。

脳の活性化も期待できるので受験勉強中の学生さんにもお勧めですね。

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