アユは、縄文時代から既に日本人に食べられていました。

「川魚の王」、「清流の女王」などと称されるアユですが、「香魚」とも呼ばれます。

旬のアユのスイカやキュウリにも似た香り、その身を口に含めばほんのりとした甘味までも感じられ、淡泊ですが脂がのった独特の香味と旨味は、一度味わえば忘れられないほどの美味なのです。

塩焼きにすれば、その香ばしい匂いと、一口齧ったときの余りの美味しさに、一匹だけでは足りず、二匹、三匹と続けて食べられそうな勢いです。

剃刀

そう言えば、「鮎は剃刀(アユはカミソリ)」という昔話がありました。

魚は食べてはいけないのに、アユが大好きな食いしん坊の和尚さんが、正直者の小僧さんの目を盗んでアユを食べるお話しです。

小僧さんに見つかり、「(アユを指して)これは剃刀だ」と誤魔化すのです。

なんでしょうか、大事な弟子にやるのも惜しいとは!

それほどアユが美味しかったのでしょう!

美味しいだけではなく、アユにはビタミン類が豊富に含まれています。

ビタミンB1、ビタミンB2は新陳代謝を活発にしますし、特にアユの内臓にはビタミンAが多く含まれており、内臓があるまま塩焼きにして食べれば強壮作用があるといわれています。

アユの塩焼き

なぜならビタミンAは体細胞が酸化するのを防ぐ効果があり、老化防止のビタミンとして名高いからです。

ビタミンAのほか、カルシウム、リン、脂肪も含まれているため相乗効果も期待できます。

また、鮎の内臓を加工した塩辛は「ウルカ」と呼ばれ、民間療法において、下痢の特効薬として知られています。

 

食材データ

種類:魚類
旬の季節:盛夏

主な効能

強壮作用
下痢の改善
新陳代謝を活発にする

 

栄養成分

アユアユは、ニシン目サケ亜目に属している魚で、1科1属1種(その生物のみが存在し、他に親戚がいない)として扱われています。

日本国以外では、朝鮮半島から中国沿岸、ベトナム周辺まで生息が確認されています。

かつては台湾にもアユがいましたが、現在では絶滅してしまいました。

アユの別名に「年魚」という呼び名があります。

「生まれて一年以内に死ぬ魚」の意味であり、アユの儚い命を言い表したものです。

平安中期の漢和辞書である「和名抄」に、「春生じ、夏長じ、秋衰え、冬死す。故に年魚と名付く」という表記があります。

一年で儚く命を散らしてしまうアユに「滅びの美学」を感じたのかどうか……

そう言えば、「滅びの美学」は桜にも通ずるものがありますね……

それが、アユという魚を日本人が特別視して好む所以かもしれません。

アユ100g中にタンパク質がおよそ18g、脂質はおよそ6g含まれています。

その他、ミネラル成分(カルシウム、亜鉛、マグネシウム)も含有し、鉄分の含有量でいえば、魚の中では飛び抜けています。

ビタミンB1ビタミンB2も豊富です。

ビタミンB1、ビタミンB2は新陳代謝を活発にし、皮膚や粘膜の再生を促します。

細胞の老化防止や新陳代謝を促すビタミンAも豊富です。

ビタミンAは、特にアユの内臓に多く含まれているので、内臓を除去せずに食べる「アユの塩焼き」に強壮作用及び強精作用が期待できるのです。

塩焼きには、タデ酢(蓼の葉を刻んで二杯酢に混ぜたもの)を合わせると、大変美味しく召し上がれます。

また、日本三大珍味として挙げられるものに「ウルカ」というものがあります。

ウルカは、アユの内臓を加工して作る塩辛で、アユの部位により、ウルカの名前が微妙に異なります。

  • 「子ウルカ」は、卵巣の塩辛です。
  • 「白ウルカ」は、白子の塩辛です。
  • 「泥ウルカ」は、腸や内臓を洗わずに塩に漬けた塩辛です
  • 「苦ウルカ」は、腸と内臓を洗って塩に漬けた塩辛です。
  • 「切り込みウルカ」は、切り刻んだ身と内臓の塩辛です。

ウルカ

酒の肴として食べたり、ウルカ汁などに加工して食べたりします。

また、民間療法においては、ウルカにお湯を入れて飲むと下痢の特効薬になると言われています。

その理由は明らかではありませんが……「下痢に効く」といって思い当たるのが「発酵食品」です。

発酵食品は腸内環境を改善する効果で知られています。

ウルカは発酵食品であるため、「『ウイルスや、毒性の食中毒ではない』慢性的な下痢」に効果があるのかもしれません……が、詳細は不明です。

 

特徴

アユアユは、資源確保の理由から6月から10月までと漁獲が決められています。

7月の若鮎が一番美味しいと言われ、柔らかい骨ごと食べられて美味しいです。

アユにはビタミン類が豊富に含まれていますが、餌の違いにより、天然アユよりも養殖アユの方が含有量は多いのです。

滋養強壮、夏バテの回復にも効果があるとされているアユ。

「アユは絶対に天然物でなければ!」と固く胸に秘めている方でないのなら、ビタミン含有量の多い養殖物のアユを食べるのもアリですね。

 

種類

アユ国内では、北海道の天塩川と湧別川。

本州、四国、九州のほぼ全域に分布しています。

奄美以南のアユはリュウキュウアユと呼びますが、アユはアユ。

1科1属1種の魚です。

 

レシピ

鮎の塩焼き

素材を活かすにはこれが一番!

鮎の塩焼きはシンプル且つ、大変贅沢な一品。

炭火でジワジワ焼けば、香ばしく心地よい、食欲中枢を刺激する匂いが辺りいっぱい立ちこめます。

こんがりと焼き上がった鮎は、丸ごとぺろり。

アユの塩焼き

 

若アユの天ぷら

塩で食べたり、天つゆで食べたり。

一口齧れば、若アユのほろ苦さが口の中に広がっていきます。

アユの天ぷら

 

 

甘露煮

骨までほろほろになるまで煮てあります。

魚臭さもなく食べやすいので、お子様やご高齢の方でも美味しく召し上がれます。

お酒のおつまみにもぴったりです。

アユの甘露煮

 

アユ【鮎】~アユの内臓には強壮作用! ウルカは下痢の特効薬?~ まとめ

香りも良く、姿も美しいアユに豊富な栄養素が含まれていることがわかりました。

特に内臓に含まれるビタミンAは若返り効果や強壮作用が期待できます。

また、実際に下痢気味な方がウルカを試してみたところ、改善の兆しが見られたという体験談もありました。

発酵食品には好き嫌いがありがちですが、自分の体に合った発酵食品と出会えれば自ずと腸内環境が整っていくことでしょう。

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